眠れない原因はマグネシウム不足?今すぐわかる正しい対策とは

寝れない女性の悩み・マグネシウム不足 Health / 健康

最近、ベッドに入ってもなかなか眠りにつけない。眠れても夜中に何度も目が覚めてしまう。
「これってストレスのせい?それとも年齢?それとも…マグネシウム不足って聞いたけど本当?」と感じていませんか。

マグネシウムは、私たちの神経や筋肉の働きを落ち着かせ、体と脳をリラックスモードに切り替えるミネラルです。
実際に、マグネシウムをとることでストレス反応がやわらぎ、入眠しやすくなったり、睡眠時間がのびたという報告もあります。特に、眠りにつくまでに時間がかかる人・夜中のあいだ中、体がこわばっている感じがある人には関係が深いと言われています。

ただ、ここがとても大事なのですが
眠れない原因はひとつではありません。
ホルモンバランスの変化、更年期や不安感、生活リズムの乱れ(夜遅くまでスマホを見る、仕事が遅い時間まで続く)、寝室環境、カフェインやアルコール、持病など、いろいろな要素が重なって「眠れない」という結果になっていることも多いのです。つまり、マグネシウム不足だけが原因とは限らないんですね。

そこでこの記事では、
・自分はマグネシウム不足っぽいのか?
・それってどうやって見分ければいいのか?
・今日から何をすればいいのか?(食べ物/サプリ/生活の整え方)

をわかりやすくまとめていきます。

数字の裏づけがない健康情報って、ちょっと不安になりますよね。この記事では、医療機関が発信している内容や、厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」に示されているマグネシウムの推奨量といった公的データもあわせて紹介しながらお話しします。

「眠れない夜をなんとかしたい」「でもいきなり薬には頼りたくない」という方は、まずは知ることから一緒に始めてみましょう。

  1. まずチェック!マグネシウム不足サインと睡眠の関係
  2. なぜマグネシウム不足で眠れなくなるの?仕組みをわかりやすく
    1. マグネシウムは神経の興奮をしずめるミネラル
    2. 筋肉をゆるめて、身体のこわばりをほどく
    3. 体内時計・睡眠ホルモン(メラトニン)にも関与
  3. 現代人がマグネシウム不足になりやすい5つの原因
    1. 1. 精製された炭水化物中心の食事(白米・白いパン・白砂糖など)
    2. 2. カフェイン・アルコールのとりすぎでマグネシウムが流れ出てしまう
    3. 3. ストレス・長時間労働でどんどん消耗する
    4. 4. コンビニ・外食など加工食品メインで、ナッツ・豆・海藻・葉物をとれていない
    5. 5. 薬(特に利尿薬など)や持病の影響で失いやすいケースがある
  4. どれくらい摂ればいい?1日の目安と日本人が足りていない現実
  5. 今日からできるマグネシウム補給:食べ物・飲み物・簡単な置き換え例
    1. コンビニでも買いやすい高マグネ食材
    2. 「白い主食→ちょい茶色い主食」に変えるだけでも違う
  6. サプリはアリ?飲む前に知っておきたい3つの注意点
    1. ① とりすぎ注意:サプリの上限は350mg/日が目安
    2. ② 腎臓・心臓・血圧に不安がある人は、自己判断で増やさない
    3. ③ 成分の「タイプ」と「品質」を確認する
  7. それでも眠れないときは マグネシウム以外の原因 もチェック
    1. 今日からできる睡眠環境リセットの基本
    2. 病院に相談したほうがいいサインは?
  8. よくある質問(FAQ)
    1. Q. マグネシウムを飲めば今夜すぐ眠れますか?
    2. Q. どのくらい摂ると危ない?
    3. Q. こむら返りと眠りの浅さ、両方あるけど関係ある?
    4. Q. 食べ物だけで足りますか?
  9. まとめ

まずチェック!マグネシウム不足サインと睡眠の関係

まずは、今のあなたの状態をチェックしてみましょう。
次の項目の中で、当てはまるものに「□」でチェックを入れてみてください。

  • □ 寝つきが悪い/布団に入ってもなかなか眠れない、もしくは夜中に何度も目が覚める
  • □ 最近イライラしやすい・不安感が強い・気分が落ち込みやすい
  • □ 足がよくつる/夜中や朝方にふくらはぎが「ギュッ」とこむら返りになる
  • □ まぶたや筋肉がピクピク勝手に動くことがある(筋肉のけいれんのような感じ)
  • □ しっかり寝たはずなのに疲れが取れず、朝からだるい・いつも倦怠感がある
  • □ ときどき胸がドキドキしたり、鼓動が不規則に感じる(不整脈っぽい違和感)

これらのサインは、マグネシウムが不足したときに見られることがある代表的な症状として、内科クリニックや栄養外来でも挙げられているものです。具体的には「不眠・眠りが浅い」「足のつり・こむら返り」「イライラ・不安感」「慢性的な疲労感」「動悸や不整脈」といった不調が、マグネシウム不足と関連づけられることがあります。

マグネシウムは神経や筋肉の興奮を落ち着かせたり、心臓のリズムを安定させたりするミネラルなので、不足すると「眠りが浅い」「筋肉がピクピク動く」「ふくらはぎがつる」「胸がドキドキする」といった体のサインとして現れやすい、と説明されています。

では、このチェック結果をどう見ればいいのでしょうか?

・0〜1個しか当てはまらない場合
マグネシウム不足だけが原因とは限らないかもしれません。
まずは、寝る直前までスマホを見ていないか、カフェインを夕方以降に飲んでいないか、生活リズムの乱れ・ストレス・更年期症状・持病など、他の原因もあわせて見直してみましょう。眠れない背景はひとつではなく、複数が重なっていることも多いと言われています。

・3つ以上あてはまる場合
「寝られない+イライラ+足がよくつる」
「疲れが抜けない+まぶたピクピク+眠りが浅い」
など、複数のサインが同時に出ているなら、普段の食事やミネラルバランス(特にマグネシウム)を意識してみる価値があります。実際、こむら返り・不安感・不眠・動悸といった症状が重なっている場合、マグネシウム不足が背景にあることがあると内科クリニックでも指摘されています。

・4個以上に当てはまっていて、それが何週間も続いている場合
これは「体がずっと緊張モードのままになっている」サインかもしれません。食事からのマグネシウム摂取や生活のリズム調整をしながら、必要に応じて医療機関に相談するラインです。特に「胸がドキドキする・心臓の鼓動が乱れる感じがある」「息苦しさをともなう」など、心臓まわりの症状が強いときは、すぐに受診してください。マグネシウム不足は心筋の収縮や電気的なリズムにも関わるため、動悸や不整脈として現れることがある、と報告されています。

このセルフチェックはあくまで「いまの自分の状態を客観視するための目安」です。
ただし、同時にいくつも当てはまる場合は「寝つけない=気合いで我慢」ではなく、栄養・休息・環境づくりを少し整える段階に来ている、と受け止めてOKです。ここから先は、そのための具体的な方法もお話ししていきますね。

なぜマグネシウム不足で眠れなくなるの?仕組みをわかりやすく

 

「マグネシウムが足りないと眠れなくなる」と聞いても、正直ちょっとピンとこないですよね。
ここでは専門用語をなるべく使わずに、体の中でどんなことが起きているのかをお話しします。ざっくり言うと、マグネシウムはブレーキ役。このブレーキが弱くなると、頭も体もずっとオンのままで、寝たいのに休めない状態になりやすいと言われています。

マグネシウムは神経の興奮をしずめるミネラル

まずは「頭の中(脳と神経)」の話からです。

私たちの脳は、昼間はオン・夜はオフというリズムで動いています。夜のオフに切り替えるときに働くのが「GABA(ギャバ)」というリラックス系の神経伝達物質。GABAは神経の興奮をおさえ、「そろそろ休もうね」と全身に合図を送る、とイメージしてください。

ここで大事なのがマグネシウム。マグネシウムは、このGABAがちゃんと働けるようにサポートする役割があると言われています。つまり、マグネシウムが不足すると、頭のスイッチがオフに切り替わりにくくなり、「布団に入っても考え事が止まらない」「疲れているのに目だけ冴えてしまう」という状態につながりやすいんです。

「寝たいのに脳だけずっと起きてる感じ」「気持ちがソワソワして落ち着かない」というタイプの寝つきの悪さは、神経の興奮がうまく下がらないサインのひとつ。ここにマグネシウム不足が関わっているケースがある、とされています。

筋肉をゆるめて、身体のこわばりをほどく

次は「体(筋肉)」の話です。

パソコンやスマホで肩まわりがガチガチになっていたり、ふくらはぎがパンパンに張っていたりすると、体がリラックスできないまま布団に入ることになりますよね。マグネシウムには、筋肉の収縮と弛緩(ゆるむこと)を調整し、こわばりを和らげる働きがあると言われています。

逆に足りなくなると、筋肉がピクピク勝手に動いたり、夜中・明け方にふくらはぎが「ギュッ」とつる(こむら返り)ことが増えることがあります。この眠いのに体だけ緊張モードの状態って、入眠をジャマしやすいんです。

つまり「ベッドに入っても肩や背中がバキバキで、リラックスできないまま30分…1時間…」という人は、単純に気持ちの問題だけではなく、筋肉側が休めていない=マグネシウム不足が背景にある場合もある、と考えられています。

体内時計・睡眠ホルモン(メラトニン)にも関与

そしてもうひとつ、よく見落とされがちなのが「睡眠ホルモン」のほうです。

夜になると私たちの体はメラトニンという眠りの合図ホルモンを作ります。このメラトニンのもとになるのがセロトニンと呼ばれる脳内物質。そのセロトニンやメラトニンの働きや生成プロセスにも、マグネシウムが関わっていると言われています。

つまり、マグネシウムはただ「リラックスするミネラル」というだけではなく、

  • 神経の興奮を落ち着かせる(頭をオフモードに)
  • 筋肉をゆるめる(体をオフモードに)
  • 眠るスイッチであるメラトニンのリズムづくりをサポートする(体内時計を夜モードに)

という3方向から、眠りやすい状態に近づけてくれる可能性があるんです。

逆にいうと、マグネシウムが不足するとこの3つのブレーキが同時に弱くなる場合があるので、
「頭も体も休まらない→寝つけない→眠りが浅い→朝だるい→1日中イライラしてまた夜眠れない」という悪循環に入りやすくなってしまいます。

ここまで読むと「もしかしてこれ、私のことでは…?」と感じた方もいるかもしれません。
次のパートでは、そもそもどうして現代の私たちはマグネシウム不足気味になりやすいのか、その理由をもう少し具体的に見ていきますね。

現代人がマグネシウム不足になりやすい5つの原因

 

「ちゃんと食べてるつもりなのに、なんでマグネシウムって足りなくなるの?」と思いますよね。
実はこれは、個人の体質だけの話ではなく、いまの私たちの生活スタイルそのものに原因があります。内科クリニックなどでも、次のような要因によって現代人はマグネシウム不足になりやすいと説明されています。

ちょっとドキッとするかもしれませんが、夜遅くまで仕事 → エナジードリンクとコーヒーで乗り切る → 夜はコンビニ飯とお酒、という流れは、マグネシウムが抜け落ちやすい典型パターンなんです。

1. 精製された炭水化物中心の食事(白米・白いパン・白砂糖など)

白米や白パン、うどん、甘いお菓子など、精製された炭水化物は食べやすくておいしい反面、加工の段階でミネラルがかなり削られています。
そのため「お腹は満たされているのに、体に必要なミネラルが足りない」という現代型の栄養不足になりやすい、と指摘されています。

つまり、白い主食ばかり+甘いスイーツで済ませる日が多いと、マグネシウムをとるチャンス自体が少なくなってしまうんですね。
(このあと出てくる「ナッツ・豆類・海藻・全粒穀物」は、逆にマグネシウムをしっかり含む食品です。)

2. カフェイン・アルコールのとりすぎでマグネシウムが流れ出てしまう

コーヒー・エナジードリンク・お酒。これらは仕事の合間のごほうびでもあるし、正直やめづらいですよね。
ただ、カフェインやアルコールには利尿作用(尿をたくさん出させる作用)があり、マグネシウムなどのミネラルが尿といっしょに体の外へ抜けやすくなる、と報告されています。

「夜は眠りたいのに、夕方〜夜にエナドリやお酒でブースト」という習慣は、
①交感神経を刺激して脳と心を興奮させる
②マグネシウムを失いやすくする
というダブルパンチで、結果的に寝たい時間に落ち着けない体を作ってしまうことがあります。

3. ストレス・長時間労働でどんどん消耗する

強いストレスを受けると、体は「戦闘モード(闘争・逃走反応)」になります。アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが上がるのですが、このときマグネシウムはどんどん使われたり、尿中に排泄されたりして失われやすい、と報告されています。

つまり、忙しすぎて常にピリピリしている人ほど、マグネシウムの消耗スピードが速い=慢性的に足りにくい。
「寝たいのに頭が休まらない」「眠れても回復しきった感じがしない」という、あのイヤなパターンにつながりやすいんです。

4. コンビニ・外食など加工食品メインで、ナッツ・豆・海藻・葉物をとれていない

本来マグネシウムは、ナッツ、豆類、大豆製品、海藻、全粒穀物、葉物野菜などに多く含まれています。

でも現実はどうでしょう。
お昼はカップ麺+おにぎり、夜はコンビニのお惣菜+お酒…という食生活だと、カロリーはとれても「ミネラルと食物繊維」は圧倒的に足りにくい、と多くのクリニックは注意喚起しています。

つまり「とりあえず何か食べてるから大丈夫」のつもりが、実はマグネシウムをほとんど補給できていないことも珍しくありません。
これは、寝つけない・足がつる・朝から疲れている…がずっと続く土台になってしまいます。

5. 薬(特に利尿薬など)や持病の影響で失いやすいケースがある

実は「自分の努力不足」とは関係なく、体の仕組み上マグネシウムが失われやすい人もいます。
たとえば、利尿薬(むくみや血圧の治療などで使われることがある薬)を長期で飲んでいると、尿と一緒にマグネシウムが排出されやすくなる、と内科系クリニックでも注意喚起されています。

また、糖尿病やアルコール多飲、胃腸の吸収障害などがある場合も、体内でマグネシウムを保持しにくく、慢性的な不足状態になりやすいことが知られています。

このタイプの不足は、食事改善だけでは追いつかないこともあるので、「疲れやすい・夜中によく足がつる・動悸がする・眠りが浅い」といったサインがずっと続くなら、自己判断だけでサプリを増やす前に、一度医療機関に相談してほしいラインです。


いまの5つをまとめると、
夜遅くまで仕事(ストレス)→カフェインとエナジードリンクで無理やり集中→帰宅してコンビニ飯+お酒→そのまま寝落ち
という生活を続けているだけで、マグネシウムは「入ってこない+抜けていく」という状態になりやすい、ということなんです。

「私が弱いから眠れないんじゃなかったんだ」と思えたなら、それはすごく大事な一歩です。
次は、どれくらいマグネシウムをとればいいのか、そして日本人は本当に足りていないのか?という数字の話をしていきますね。

どれくらい摂ればいい?1日の目安と日本人が足りていない現実

「じゃあ、マグネシウムって1日どれくらいとればいいの?」という疑問に、まず数字ではっきりお答えしますね。

厚生労働省などがまとめている「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人のマグネシウムの推奨量はおおよそ次のようになっています。
・成人男性:約340〜380mg/日
・成人女性:約280〜290mg/日

年齢やライフステージによって多少の幅はありますが、目安としてだいたいこれくらいはとりましょう、という基準になっています。

では、実際に日本人はどれくらいとれているのでしょうか。

さまざまな栄養調査や分析では、平均的な摂取量がまだそこまで届いていない、という指摘があります。
・男性:約270mg前後/日
・女性:約240mg前後/日

という報告があり、つまり「推奨量 − 実際にとれている量」で見ると、毎日じわじわ不足している人が少なくない、ということなんです。

これ、すごく大事なポイントです。

「私だけ食生活が乱れていて、私だけ足りていないんだ…」ではないんです。
むしろ日本人全体として、マグネシウムは慢性的に不足しやすい栄養素だと考えられています。

なぜこうなるかというと、さきほどお話ししたように、
・白いごはん・白いパン中心になりやすい
・コンビニや外食では、ナッツ・海藻・豆・全粒穀物などのマグネシウムが多い食材がそもそも出てこないことが多い
・ストレスとカフェインとお酒でどんどん消耗する
という生活が、今は「普通」になっているから。

つまり、「寝つけない」「夜中に起きる」「朝からだるい」という不調は、あなただけの問題ではなくて、今の時代の生活スタイルそのものがつくりやすい不調なんです。
これは、ちょっとホッとしませんか?

だからこそ、マグネシウムは特別なサプリを飲む人だけが気にする成分ではなく、「毎日ちゃんと眠って回復したい人」のための基本ミネラル、と考えておく価値があります。

次は、じゃあ実際どんな食品からマグネシウムをとればいいの?コンビニでも買える?という「今日からできる方法」を具体的に見ていきましょう。

今日からできるマグネシウム補給:食べ物・飲み物・簡単な置き換え例

「気をつけて食べろと言われても、正直むずかしい…」というのが本音だと思います。
でも、マグネシウムは完璧な自炊じゃなくてもちゃんと足せます。ここでは、忙しくてもできる「買い方」と「置き換え方」だけにしぼって紹介しますね。

コンビニでも買いやすい高マグネ食材

マグネシウムが多く含まれる食べものって、すごく特別なスーパーフード…というイメージがあるかもしれませんが、実はかなり身近なものに含まれています。内科や栄養外来でも、次のような食品がよく紹介されています。

  • 素焼きナッツ(アーモンド・カシューナッツなど)
    コンビニやドラッグストアで小分けパックが買えます。塩・油不使用タイプをえらべば、夜遅い時間の「どうしても口さみしい」を落ち着かせるおやつにも。
  • 納豆・豆腐・おから
    大豆製品はマグネシウムと植物性タンパクがいっしょにとれるのが優秀ポイント。冷蔵コーナーで買って、そのまま夜ごはんに1品足すだけでOKです。
  • わかめ・ひじき・のりなど海藻類
    海藻はマグネシウムを多く含む代表格です。カットわかめ入りの味噌汁カップや、ひじき煮の惣菜パック、味付けのりもコンビニで手に入ります。
  • 玄米・オートミール・そば
    精製していない穀物や全粒に近いものはミネラルが残っています。レンチン玄米パック、オートミールカップ、そば(特に十割やそば粉割合の高いもの)も手軽です。
  • バナナ・アボカド・ダークチョコ(カカオ70%以上)
    フルーツや高カカオチョコも、実はマグネシウム源として紹介されることがあります。特にカカオ70%以上のビターチョコは「ちょっと疲れた夜の一口」にも使いやすいですよ。

「食べるもの全部を変えないといけない」ではなくて、いまの食事にこれらを1品ちょい足しするイメージでOKです。
とくに、夜に足がつりやすい人・イライラして眠れない人・寝ても疲れが取れない人には、豆類や海藻、ナッツなどのミネラル補給がすすめられることがあります。

「白い主食→ちょい茶色い主食」に変えるだけでも違う

料理を頑張らなくてもマグネシウムを底上げするコツが、主食の色を少しだけ変えること。病院の栄養指導などでもよく出るアドバイスです。

  • 白米 → 玄米・雑穀ごはん
    玄米や雑穀ごはんは、精製の段階で失われがちなミネラルが残っています。コンビニやスーパーにあるレンチン用パックを選ぶだけでもOKです。
  • 食パン → 全粒粉パン・ライ麦パン
    真っ白ふわふわのパンより、少し茶色いパンのほうがマグネシウムをはじめとするミネラルや食物繊維が残りやすいとされています。
  • 小麦麺 → そば・蕎麦粉高めの麺
    そばはマグネシウムやビタミン・ミネラルを含むことが多く、夜食や小腹満たしにも使いやすい選択肢です。

ここで大切なのは、「完璧な健康食にしなきゃ」と気合いを入れるよりも、
白いもの → ちょっと茶色いもの
にゆるっとスライドさせるだけで、摂れるミネラル(マグネシウムを含む)が底上げされる、という感覚なんです。

しかもこれは、忙しい人でも続けやすいんですよね。
たとえば「夕飯の白ごはんを雑穀パックに変える」「菓子パンをやめて全粒粉サンドにする」「スナック菓子の代わりに素焼きナッツをつまむ」。
この3つをやるだけでも、睡眠の土台になるミネラルのとり逃しをかなり減らせます。

「何か特別なサプリをいきなり買わなきゃいけない」というより、
まずは足りていないものを日常にちょっと戻してあげる。
それだけでも「布団に入ってから落ち着けるまでの時間」が変わる人は少なくありません。

次のパートでは、よく聞かれる「サプリって結局どうなの?寝る前に飲んでいいの?」という話を、注意点も含めて整理していきますね。

サプリはアリ?飲む前に知っておきたい3つの注意点

 

「寝る30分前にマグネシウムサプリを飲むと、スッと眠りに入りやすい」という話、聞いたことはありませんか?
実際に、マグネシウムは神経の興奮をおさえ、心と筋肉をゆるめて眠れるモードに近づける働きがあるとされています。高齢の不眠症の患者にマグネシウムを複数週間投与したところ、入眠までの時間が短くなり、睡眠時間が長くなったという報告もあります。

また、就寝前のタイミングでは、グリシン酸マグネシウムやクエン酸マグネシウムといった「吸収されやすいタイプのマグネシウム」を寝る前30分〜1時間くらいにとる方法が紹介されることもあります。筋肉のこわばりやストレス感から眠りに入りづらいタイプの人に向けて、就寝前にこうした形のマグネシウムを少量から試す、というやり方が勧められるケースもあります。

ただし、ここはとても大事なポイント。これはあくまで「一般的にはこういう使い方もある」という話であって、あなた個人に対して医学的に保証された睡眠改善法ではありません。特に、持病がある方や薬を飲んでいる方は独断で量を増やすのではなく、必ずこのあとに書く注意点をチェックしてくださいね。

① とりすぎ注意:サプリの上限は350mg/日が目安

まず一番わかりやすい注意点が「量」です。
マグネシウムは食事(海藻・豆・ナッツなど)からとるぶんには、通常はとりすぎの心配はあまりないとされています。腎臓が余分なマグネシウムを尿として排出してくれるからです。

一方で、サプリなど通常の食品以外からのマグネシウム摂取には目安があります。
成人の場合、1日あたり350mgを超えない範囲におさめるように、と制限されています。
これは、マグネシウムを一度にとりすぎると下痢や腹痛といった消化器トラブルが出やすいというデータがあるためです。

つまり、「効きそうだから2倍飲もう」はNG。むしろお腹をこわして寝つきどころではなくなる、という本末転倒パターンもあります。

※なお、近年は350mgという上限は厳しすぎるのでは?という再検討の声も一部で挙がっていますが、下痢や血圧低下、不整脈などリスクが報告されることもあるので、基本的にはまず少量から試して体調をみる、が安全です。

② 腎臓・心臓・血圧に不安がある人は、自己判断で増やさない

マグネシウムは腎臓から体の外に出されます。
なので、腎機能が落ちている方(腎臓が弱っている方、慢性腎疾患のある方など)は、マグネシウムをため込みやすく、逆に「多すぎる」ほうが危険になる場合があります。過剰になると、強い眠気・吐き気・血圧低下・不整脈といった重い症状につながることも報告されています。

また、血圧の薬や利尿薬(むくみ・高血圧などで処方されることがあります)、心臓に関わる薬を飲んでいる方は、マグネシウムの排泄や心臓のリズムに影響が出る可能性があるため、自己判断で一気にサプリ量を上げるのは避けましょう。特に「動悸」「胸のドキドキ」「脈が乱れる感じ」がある場合は、サプリで様子を見るより先に医療機関で相談するべきラインです。

これは、眠れない=マグネシウム不足に違いないと決めつける前に必ず押さえておきたいポイントです。

③ 成分の「タイプ」と「品質」を確認する

ひとことで「マグネシウムサプリ」といっても、中身はけっこう違います。
吸収のされ方やお腹へのやさしさが異なるので、なんとなく安いものをまとめ買いするより、タイプを知って選んだほうが失敗しにくいです。

  • グリシン酸マグネシウム(マグネシウムグリシネート)
    タンパク(アミノ酸)と結合したタイプで、吸収されやすく、比較的お腹をこわしにくいとされます。夜のリラックス目的で紹介されることが多い形です。
  • クエン酸マグネシウム
    吸収は良いほうですが、やや早めに体から出ていきやすいとも言われます。就寝前などここぞのタイミングで少量をとる使い方として名前が挙がることがあります。
  • 酸化マグネシウム
    便をやわらかくする目的(便秘対策)で医療の現場でも使われることがあります。そのぶん、量によっては下痢ぎみになりやすいタイプでもあります。

もうひとつチェックしたいのが「どこで作られているか/品質管理がされているか」です。
たとえばGMP(適正製造基準)に沿った工場で作られている、と明記しているサプリは、成分量や不純物の管理など、一定の品質基準をクリアしていることをアピールしているケースが多いです。これはネットやドラッグストアで買うときの安心材料になります。

「寝たいからなんでもいいから強いのください」ではなく、
・1回量がわかりやすいこと
・自分のお腹と相性がいいタイプであること
・製造の信頼性(GMPなど)が示されていること
この3つを満たすものを選ぶと、無駄なトラブルをだいぶ避けられます。


まとめると、マグネシウムのサプリは眠りやすい状態をサポートする1つの手段にはなりえます。実際、入眠スピードや夜間の安定感が改善したという報告もあります。

ただし、これは「これさえ飲めば即・熟睡確定」という魔法ではありません。
とりすぎは下痢などの不調につながることがあるし、腎臓・心臓・血圧に気になるところがある方は、まず医療者と相談が必要です。

そのうえで、「寝る前30分の1粒を、毎日の小さな習慣」にできるなら、あなたの夜の落ち着きスイッチを後押ししてくれる存在になるかもしれません。

それでも眠れないときは マグネシウム以外の原因 もチェック

ここまで読んで「マグネシウム、ちょっと意識してみよう」と思った方へ。とてもいい一歩です。
ただ、それでも眠れない夜が続く場合は、マグネシウムだけに原因を決めつけないことも大切です。先でも述べた通り、不眠には複数のパターンがあって、生活リズムやストレス、持病などが影響しているケースもよくあります。

具体的には、次のようなものが「よくある根っこ」です。

  • 睡眠リズムの乱れ
    夜遅くまでスマホやPCの光を浴びていると、脳が「まだ昼間だ」と勘違いしてしまい、眠る準備をするホルモン(メラトニン)が出にくくなります。逆に、日中にしっかり太陽の光を浴びない生活も、体内時計を狂わせて「夜になっても眠くならない」原因になります。
  • お酒(寝酒)に頼ってしまう
    アルコールは「確かに一瞬は眠くなる」のですが、深い睡眠を浅くしてしまうため、夜中に目が覚めやすくなったり、早朝に起きてしまったりします。つまり寝つきはよくなるけど、質が落ちるんです。これは産婦人科や内科でも注意点としてよく挙げられています。
  • メンタルストレス・不安感
    強いストレスや不安が続くと、交感神経(緊張モード)が優位になって、布団に入っても頭の中だけフル稼働…という状態になります。これはマグネシウム不足と同じ方向の不眠につながるので、ダブルで眠れない、ということも。
  • 持病が関係しているケース
    代表的なのは睡眠時無呼吸(いびき+呼吸が止まる)。夜じゅう呼吸が浅くなり、体が何度も「息して! 起きて!」と警報を鳴らすので、何十回も細かく覚醒してしまいます。自分では「朝からずっとだるい」「日中に強烈な眠気がくる」で気づくことが多いです。

つまり、「寝られない=マグネシウムさえ飲めばOK」とは限らない、ということなんですね。

今日からできる睡眠環境リセットの基本

厚労省系の睡眠衛生アドバイスとして、まずは次のような生活リズムをそろえることが推奨されています。これは薬ではなく、自分の体内時計を正しく整えるための土台づくりです。

  • 起床したらなるべく早めに朝の光を浴びる
    カーテンを開けて朝の光を目に入れることで、体内時計に「ここが朝だよ」と教えてあげることができます。これは夜の眠気のタイミングにも影響します。
  • 寝る時間・起きる時間を毎日なるべくそろえる
    平日と週末で何時間もズレると、体が常に時差ボケ状態になります。寝る/起きるリズムが乱れると、眠気がくる時間そのものがバラけてしまいます。
  • 寝る直前はスマホではなく、ぬるめのお風呂や読書などリラックス習慣に切り替える
    スマホやPCの強い光・刺激的なSNS/ニュースは交感神経を刺激します。逆に、ぬるめ(熱すぎない)のお風呂やストレッチ、紙の本などは副交感神経(リラックス側)を優位にしやすいと言われています。
  • 寝酒で無理やり眠るは逆効果
    アルコールは深い睡眠を浅くしてしまい、夜中の覚醒や早朝覚醒を増やすことが知られています。むしろ「寝た気がしない朝」を招きやすいんです。

「マグネシウム+この基本セット」で、入眠しやすさや夜中に何度も目が覚める頻度が落ち着く人もいます。

病院に相談したほうがいいサインは?

ここはとても大事なので、はっきり書いておきます。
次のような場合は、サプリやストレッチで様子を見るより、医療機関(内科・心療内科・睡眠外来など)での相談を優先してください。

  • 2〜3週間以上、「ほとんど眠れない夜」が続いている
    これはたまたま疲れているだけの域を超えています。慢性の不眠は、うつ・不安障害・ホルモン変化など、専門的なケアが必要な状態のサインになっていることがあります。
  • 動悸や不整脈のようなドキドキがある/胸に不快な圧迫感がある
    マグネシウム不足でも動悸が起きることはあるとされていますが、強い動悸・脈の乱れ・胸の痛みは心臓や血圧の問題でも出ることがあり、緊急性をともなうケースもあります。この場合は様子見ではなく、すぐに受診を。
  • 日中の眠気が危険レベル
    たとえば運転中や階段で「一瞬落ちそうになる」など。これは睡眠時無呼吸など、夜に十分な酸素と休息がとれていないサインのことがあります。放置すると事故リスクや生活習慣病リスクが上がるので、専門外来での評価が必要です。

眠れない=自分が弱いからではありません。
むしろ、眠れないというのは「体と心がSOSを出している」という、とてもまじめなサインなんです。
マグネシウムを含む栄養の見直しはもちろん大切ですが、「これはひとりで抱え込まずプロに聞いたほうがいいやつかも」と感じるなら、それは正しい感覚です。

次は、よくある質問をQ&A形式でまとめていきます。よく検索される疑問に一気に答えるので、「私これ気になってた」というところだけ拾い読みしてもらってOKです。

よくある質問(FAQ)

最後に、「これ気になってた!」というところをQ&A形式でまとめます。気になる部分だけ読んでOKです。検索でよく出てくる疑問にもお答えしますね。

Q. マグネシウムを飲めば今夜すぐ眠れますか?

A. マグネシウムは神経や筋肉の興奮を落ち着かせる働きがあるため、寝る前にとることで入眠しやすくなった・夜の目覚めが減ったという報告はあります。ただし効果には個人差があり、「飲めば即ぐっすり確定」というものではありません。慢性的な不眠の背景にはストレス、睡眠時無呼吸、薬の副作用など別の原因が隠れていることも多いので、長引くなら医師への相談が目安です。

Q. どのくらい摂ると危ない?

A. 食事(ナッツ・海藻・豆・玄米など)からのマグネシウム摂取は、基本的に過剰になりにくいとされています。一方でサプリなど通常の食品以外からの摂取はとりすぎ注意です。成人では1日350mgを目安にし、それ以上になると下痢や腹痛といった副作用が出やすくなると言われています。むしろ「多いほど効く」は逆効果になることもあるので、少量から試すのが安心です。

Q. こむら返りと眠りの浅さ、両方あるけど関係ある?

A. 関係している場合があります。マグネシウムは筋肉の収縮とゆるみを調整するミネラルなので、不足すると足がつりやすくなったり、筋肉がピクピク勝手に動いたりしやすいとされています。同時に、神経の興奮が下がりにくいことで「寝たいのに落ち着けない」「眠りが浅い」といった睡眠トラブルも起きやすくなる、と内科や栄養外来では説明されています。

Q. 食べ物だけで足りますか?

A. 正直いうと、意識しないと足りにくいです。日本人の推奨量は、男性で1日340〜380mg、女性で280〜290mg程度が目安とされていますが、実際の平均摂取量はそこまで届いていないという報告があります。つまり、私たちは日常的に少しずつ足りない状態になりやすいんです。ナッツ、豆類、海藻、玄米・雑穀、全粒粉パンなどを「ちょい足し」していくことが、まず現実的なスタートになります。

不眠って「気合いが足りない」とか「メンタルが弱い」とか、そういう話じゃないんですよね。
栄養・生活リズム・ストレス・持病…いろいろな要素のバランスの話。
だからこそ、ひとりで抱え込まないで、使えるものは上手に使っていきましょう。

まとめ

眠れない夜は「私の気合いが足りないから」ではありません。マグネシウム不足や食生活、ストレス、生活リズムなど、いくつかの小さな要因が重なって起きます。まずは、マグネシウムを意識した食べ方・寝る前の過ごし方・寝酒に頼らないことなど、今日からできることを一歩ずつ整えてみてください。つらい不眠が続くときは、ひとりで我慢せず医療機関に相談していいんだ、と覚えておいてほしいです。

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